あいさつ


 当協会は、平成25年4月1日から公益社団法人としてスタートをきり、11年目となりますが、この間畜産業界は、飼料価格及び生産資材の高止まりなどにより、生産基盤の弱体化が進みました。加えて、TPP11、EPA及び日米貿易交渉等諸外国との貿易協定の進展により、畜産経営体にとってさらに厳しい経営環境なることが懸念されております。
 また、家畜衛生面においては、令和4年度に全国的に高病原性鳥インフルエンザが発生し、約1,700万羽もの鶏が殺処分され、過去最大の発生となりました。野生イノシシでの感染が拡大している豚熱については、ワクチン接種が行われているものの、未だ養豚農家での発生が見られ、本県の養豚業においても予断を許さない状況であります。加えて、海外で発生が拡大しているアフリカ豚熱に対しては、我が国への侵入を何としてでも防止する必要があり、より一層の家畜防疫・衛生体制の充実が求められております。
 一方で、新型コロナウイルス感染症は第5類に移行して、通常の日常生活に戻りつつある中、需要が低迷していた和牛肉や名古屋コーチン等の需要拡大も期待されているところであります。
 今回、令和5年度開催の定時総会及び理事会におきまして代表理事に再任されましたが、これまで以上に実施事業の公益性を担保しながら、畜産物の価格変動により生ずる畜産経営体の損失を補填する事業、畜産経営の安定・向上と畜産の理解醸成に関する事業、畜産経営支援活動及び家畜防疫を徹底するための経費に対して助成を行う事業を積極的に実施し、県内の畜産生産基盤を支えつつ、安全・安心で品質の良い「愛知の畜産物」の供給を推進してまいりますので、関係者の皆様方の御支援と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

令和5年7月1日

公益社団法人 愛知県畜産協会
 理事長  川上 万一郎