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たんぱく質のはたらき

たんぱく質にはどんな価値があるのでしょうか。
私たちの体の中で、どのような役割をはたしているのでしょうか。

からだの中のたんぱく質の量は、体重の16.4%を占めると言われています。私たちの体は、脳や心臓などの内臓や骨、筋肉、皮膚、毛髪、ツメなど、ほとんどがたんぱく質でできています。

そのほかに、たんぱく質は、各種酵素、ペプチドホルモン、神経伝達物質などとして体を機能させるために利用されています。

たんぱく質は、脂肪、炭水化物とともに三大栄養素と言われ、私たちが生きていく上で必要不可欠な栄養素です。しかし、食事でとったたんぱく質がそのまま私たちの体に使われているわけではありません。

 

食べたたんぱく質はこうして使われる

たんぱく質は、アミノ酸という小さな分子がたくさんクサリ状に結びついてできています。人間の体は、およそ10万種類のたんぱく質からできています。この膨大な数のたんぱく質を作っているのは、たった20種類のアミノ酸なのです。

体に取り入れられたたんぱく質は、胃や腸などでアミノ酸にまで分解されて吸収されます。吸収されたアミノ酸は、肝臓に蓄えられてから、体の各組織に運ばれて、体たんぱく質に組み立てなおされます。

体たんぱく質は、つねに合成と分解の代謝を繰り返しています。分解され、もとに戻ったアミノ酸は、再利用されるものと対外に排泄されるものとにわかれます。対外へ出てしまう分のアミノ酸を補うために、食事からたんぱく質をとる必要があります。

体内におけるたんぱく質の代謝

必須アミノ酸とは・・・人間の体を作っているのは20種類のアミノ酸です。これらには、体内で合成できるものとできないものがります。合成できないものは、必須アミノ酸と呼ばれ、9種類あり、すべて食事からとらなくてはなりません。

必須アミノ酸を十分にバランスよく含んでいるものが良質なたんぱく質といわれます。その代表的なもののひとつが、牛乳のたんぱく質です。

 

たんぱく質がたりないと

食事からのたんぱく質が不足するとさまざまな障害がおこります。

体力が低下し、感染に対する抵抗力が弱くなったり、傷の回復が遅くなります。また、鉄分がうまく体で使われずに、貧血がおこりやすくなります。
人間の脳は、5歳くらいまでに発育が完了します。このころにはたんぱく質の摂取が大変少ないと、脳の発育が阻害されます。小さいお子さんをお持ちのお母さんにとって注意すべきことです。
私たちの体を主に構成しているのは、繊維状のたんぱく質であるコラーゲンです。コラーゲンは、骨、皮膚、軟骨、血管壁などをつくり、体や内臓を支えています。コラーゲンの量が不足すると、全身のさまざまな場所に障害がおこってきます。

 

たんぱく質のとりかた

成人1人あたり、1日に必要なたんぱく質は、男性で60g、女性で50gです。
平成23年度の国民栄養調査では、日本人のたんぱく質摂取量は、1日67gでした。
これは平均値です。お年寄りになると、少食になりたんぱく質をとる量がだんだん減ってしまいます。摂取不足にならないよう、良質なたんぱく質をとりいれる工夫が大切です。例えば、牛乳でしたら、1本（200ml）飲めば、1日に必要なたんぱく質の約10%（6.2g）、カルシウムの約33%（206mg）がとれます。
体に効果的にたんぱく質をとるには、動物性たんぱく質と植物性たんぱく質をバランスよくとらなければなりません。
動物性たんぱく質は、植物性たんぱく質とくらべ必須アミノ酸が多く含まれています。植物性たんぱく質に不足する必須アミノ酸は、動物性たんぱく質によって補うことができます。
食事でとられたたんぱく質のうち、動物性たんぱく質の割合が40%以上になっていれば、摂取バランスは大丈夫です。


たんぱく質が豊かな食品

たんぱく質をおおく含む食品　（「四訂　日本食品標準成分表」より）
1食あたりの摂取量と含まれるたんぱく質の量


必須アミノ酸を多く含む良質なたんぱく質は、牛乳乳製品、
肉、魚、大豆製品などからとることができます。


上手なダイエットを

ダイエットで気をつけなければならないことは、カロリーを減らすことに熱中して、必要な栄養素の摂取が不足してしまうことです。

たんぱく質が不足すると、脂肪ばかりでなく筋肉も減ってしまい、体力もなくなります。

若い女性の食生活はカルシウムが不足ぎみです。そこへ無理なダイエットをすると、女性ホルモンの分泌が抑えられ、骨からカルシウムが溶け出して、全身の骨の量も減らしてしまいます。

ダイエットをするときでも、カルシウムとたんぱく質の量は十分にとることが大切です。

各種ビタミン類は美容にも大切です。

これらがバランスよく含まれる牛乳・ヨーグルトをとりながら、健康をそこなわないダイエットをしましょう。