消費者お役立ち情報 トピックス   カルシウム


 

 

 


知る人ぞ知る、愛知県は有数の酪農県。ちなみに牛乳の生産量は全国ランキング第7位。一戸あたりの飼育乳牛頭数は全国第1位なんです。酪農家のプライドも高く、良質な牧草を食べさせているから牛乳の栄養価もぐんと高くなっています。今日も県下の牧場からあなたの町にフレッシュ牛乳が届けられます。

 

愛知県牛乳普及協会提供

 

カルシウム、ビタミン、タンパク質など私たちに欠かせない栄養素をたっぷり含んだ牛乳は身近な健康&完全食品。もちろん厳しい衛生管理の実施で安全安心。毎日飲んで、どうぞヘルシーに。

 

牛乳・乳製品をを使ったオリジナルレシピ集

 

・牛乳の出来るまで

健康な乳牛からしぼられた生乳は、すぐに冷却されて、工場へ運ばれいろいろな工程を経て消費者にとどけられます。常に衛生的な状態が保たれるよう細心の注意が払われています。

 

・牛乳からできるもの「ミルクの木」

牛乳からは、いろいろ乳製品が作られており、どれもおいしくて栄養バランスの優れた牛乳のすばらしい仲間たちです。このほか、最近では、繊維・化粧品・プラスチックなど、食品以外でも牛乳から作られたものが注目されています。

 

・牛乳と加工乳の違いを覚えてね。

牛乳を殺菌して、そのまま容器につめたものだけが「牛乳」。濃厚牛乳や低脂肪乳などは「加工乳」。びんのキャップなどの表示の違いをよくご覧ください。

 

・ミルキーな1日をつくる

なめらかな肌、ツヤのある髪、いつもイキイキ健康的な笑顔・・・。牛乳のチカラを味方にして、目指せ!ミルク美人。

 

 若さと健康の秘けつは食事のなかに

 

・カルシウムの働き・たんぱく質のはたらき

・カルシウム不足と骨粗しょう症・たんぱく質のとりかた

・女性ホルモンと骨・たんぱく質が豊富な食品

・骨粗しょう症を防ぐためには 

・カルシウム不足とさまざまな病気 

・カルシウムのとりかた 

・カルシウムが豊富な食品 

・おすすめ!1週間のカルシウム・プラン 

・体内でのカルシウム吸収のされ方 

・カルシウムQ&A  

 

カルシウムのはたらき

        カルシウムは私たちの体にとって、大切な働きをしています。

カルシウムは、各種ホルモンの分泌や作用、筋肉の収縮、血液の凝固、情報の伝達など、からだのあらゆる細胞の機能を調節しています。生命維持に欠かせないたいせつな栄養素です。血液中のカルシウム濃度は、たえず一定にたもたれなければなりません。

骨は、私たちの体の土台であるとともに、カルシウム貯蔵庫の役目もしています。体内にはカルシウムが成人女性で約1,000グラム、成人男性で約1,200グラムあります。カルシウムの99%は骨にあり、血液中のカルシウムが不足しそうな場合は、すぐにカルシウムをとりだせる仕組みになっています。

 

カルシウムがたりないと

日本人の食事摂取基準2010年版   

国民栄養調査をみると、日本人の食事は、平均的には、ほとんどの栄養素の所要量み推奨量に対する栄養接種量の割合を みたしていますが、カルシウムとビタミンAだけは不足しています。成人が1日に必要とするカルシウム量は600ミリグラムです。 これは、戦後ずっとみたされたことはありません。 カルシウムは1日に700〜800ミリグラムは必要という研究報告もあり、摂取不足が心配です。   

カルシウムは、食べものからしかとることができません。摂取するカルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度をたもつために、骨からカルシウムがとけだし、血液中にはいります。この状態が長くつづくと、骨がスカスカになり、骨粗しょ症になってしまうのです。骨からとけだしたカルシウムが原因となって、さまざまな病気がおこることも知られています。

 

 

 

 




カルシウム不足と骨粗しょう症

骨はかたい物質のようにおもわれがちですが、たえず古い骨がこわされ、新しい骨が作られています。骨をつくる勢いが骨をこわす勢いとつりあっていれば、骨量は横ばいのまま維持されます。さまざまな原因で、骨をこわす勢いが骨を作る勢いを上回ると、骨量が減ってしまいます。バランスをくずす主な原因は老化とカルシウム摂取不足です。

年をとると、ころんで手をついたり、しりもちをついたりしてぐらいで、簡単に骨折してしまうことがあります。ここまで骨が弱くなった状態を、骨粗しょう症といいます。骨量はかなり少なくなっています。骨量が少なくなると、骨の中がだんだんスカスカになり、外部からの力に対し、それに耐えられないほどに弱くなります。その結果、簡単に骨折したり、背骨が変形して背中がまるくなったりします。

 骨破壊と骨形成のバランス  

骨破壊と骨形成のバランスがとれていると、骨は正常な状態態です。 骨形成より骨破が多くなると骨量は減少してしまいます。     







女性ホルモンと骨

女性は、男性よりも骨粗しょう症になる危険率が高いのです。その原因は、女性ホルモンの分泌量の変化にあります。女性ホルモン、特にエストロゲンには、骨をとかさないように働き、骨を守る作用があります。
エストロゲンの分泌は初経の頃から盛んになります。12歳〜13歳の頃は、骨を作る働きが大変強くなります。20歳前後で最大骨量になると、40歳ぐらいまでその骨量は維持されます。

しかし、50歳ごろの閉経期になると、卵巣の機能が低下し、卵巣からエストロゲンの分泌がほとんどなくなり、骨量は急激に低下してしまいます。そのため、女性は男性よりも骨粗しょう症になる危険率が3〜4倍も高くなります。

骨粗しょう症予防のひとつとして、1320歳前後にかけて急激に骨量が増えるころ、最大骨量をできるだけ高めておくことが大切です。

このころはエストロゲンの働きで、骨を作る勢いが非常に強いので、カルシウムをたくさんとると全身の骨量が多くなるのです。そのため、この時期におもいきり骨量を高めておけば、閉経期以降になって骨量が減ってきても、骨粗しょう症になりにくいのです。

 

骨粗しょう症をふせぐには

骨粗しょう症は長い年月をかけて骨量がすこしずつ減っていく病気です。予防対策に早すぎるということはないのです。

下の表には、骨粗しょう症になりやすい生活習慣をあげてみました。生活習慣によるカルシウム摂取不足や運動不足は骨粗しょう症の危険因子です。

また、適度に日光にあたることによって、皮膚でビタミンDが合成されます。このビタミンDはカルシウムの吸収に不可欠です。

おもいあたる人は、できるだけ改善していくことが大切です。

閉経期以降の方はとくに、骨量の減少をできるだけ遅くするために、下の表にあげた

生活習慣にならない努力が必要です。

 

骨粗しょう症になりやすい生活習慣

 

偏食をすること。なかでも、牛乳や乳製品、小魚、大豆製品をあ

まり食べず、魚より肉料理中心で、

加工食肉やインスタント食品をよく食べる習慣があること。

極端なダイエット

運動がきらいで、体を動かすことが少ない。あまり外に出ず、

日光を浴びる機会が少ない。

 

 

 

カルシウム不足とさまざまな病気

カルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度がさがらないように、骨からカルシウムを取り出す仕組みが働きます。カルシウム不足の状態が長くつづくと、骨から取り出されるカルシウムが多くなり、血液や体の中の細胞内のカルシウム濃度が著しく高まってしまいます。このことが、さまざまな病気の原因になると考えられています。

 

高血圧や動脈硬化

カルシウムが不足すると、血液中のカルシウム濃度を一定に保つため、副甲状腺ホルモンがでてきて、骨からカルシウムをとりだします。このとき、副甲状腺ホルモンは、血管の細胞に余分なカルシウムを押し込むという困った働きもしてしまいます。筋肉は、細胞内にカルシウムがふえると収縮する働きがあるため、血管の細胞内に増えたカルシウムは、血管を収縮させ血圧をあげてしまいます。これが高血圧です。

高血圧になると、血管にちいさな傷がつきやすくなり、血小板がそこに集まって血管を狭くしてしまいます。その結果、血管の内皮がどんどん増殖して血液を通さなくなり、コレステロールが付着して動脈硬化になるわけです。

 

ストレスの関係

ストレスがたまると、副賢皮質ホルモンがでてきます。副賢皮質ホルモンの困った働きは、腸からのカルシウムの吸収を妨げ、尿からカルシウムをだしてしまうことです。このため、ストレスはカルシウムを体からどんどん奪い去ってしまうのです。

 

がんをふせぐ可能性

がん細胞は私たちの体の中で、毎日のように出来ています。しかし、免疫細胞の働きで、がん細胞が若い芽のうちに取り除かれます。

ところがカルシウムが足りないと、副甲状腺ホルモンがでてきて骨からカルシウムを溶かしだし、免疫細胞内にも余分なカルシウムを押し込んでしまいます。そうなると、免疫細胞に正しい情報が伝わらなくなります。がん細胞を発見して取り除く作業が行われなくなるのです。

(藤田拓男「カルシウム・パワー」より)


カルシウムのとりかた

日本人が1日にとったカルシウム量は平均507ミリグラム(平成23年)で、推奨量は平均600ミリグラムです。(年令によって異なります)ところが、各年代別に見てみると、1549歳までがとくに不足していることが分かります。(下図)

各年代別によって活動範囲、運動量、成長度合い、消化・吸収力などが異なるように、  1日に必要なカルシウム量も違います。

カルシウムは、成長期や若いときに、十分とることが大切です。さらに、女性では更年期など、カルシウムをたくさんとらなければならない時期があります。

男女にかかわらず、カルシウムは、100とっても体の中に100吸収されるものではありません。平均すれば、体の中に吸収されるのは3分の1くらいでしょう。人、年齢、食品によってもさまざまです。カルシウムを多く含む食品を、つとめて食事に取り入れる必要があります。

 

日本人の年代別カルシウム摂取量(1人1日当たり)
(「H23年国民健康・栄養調査」より)

 

 

 

 

 

 

年代別のカルシウム推奨量(1人1日当たり)
(「日本人の食事摂取基準2010年版」より)

 

 

 

 

 

 



カルシウムが豊富な食品

牛乳乳製品は、もっとも効果的にカルシウムをとることができる食品です。牛乳が苦手な人は、ヨーグルトを食べたり、小魚を骨ごと料理するなど、工夫するとよいでしょう。大豆製品や、カルシウムがたくさん含まれている野菜も積極的に利用しましょう。

ビタミンDを多く含む食品は、カルシウムの吸収を助けます。また、たんぱく質や炭水化物と一緒にとるとカルシウムの吸収率がよくなることもわかっています。

加工食品やインスタント食品に多く含まれているリンをとりすぎると、カルシウムの吸収が阻害されてしまいます。リンを多く含んだ食品をとるときは、カルシウムをいつもより多くとるように心がけましょう。

 

 

 

 

 


体内のカルシウム収支の考えかた

 食事でとりいれたカルシウムは、どのくらい体に吸収され、体に蓄えられるのでしょうか。

とりいれられたカルシウムはすべて体内に吸収されるわけではなく、吸収率が高いとされる牛乳でも40%です。カルシウムは吸収される一方、排泄もされるので蓄えられる量はごく少量です。

体内に吸収されたカルシウム量から、便や尿として排泄された分をひいた値を、カルシウムバランスといいます。カルシウムバランスがプラスならば骨に蓄えられ、マイナスならば骨からカルシウムが失われたことになります。

計算上では、成人が1600ミリグラムのカルシウムをとるとカルシウムバランスは±0になります。下の図のように、1800ミリグラムのカルシウムをとって、ようやく25ミリグラムのカルシウムを骨に蓄えることができます。カルシウムは、とりだめはききません。今日たくさんとったからといって、明日はとらなくてよいというわけにはいきません。毎日、きちんととることが大切です。

 

 

 

 

 

 

 

(西沢良記「別冊 NHK きょうの健康 これだけは知っておきたい骨粗しょう症」より)