研修会レポート 令和6年度 田原市PRRS撲滅委員会主催で研修会を開催


 PRRS 今までの成果…検査結果が語るもの!
 〜共存の脅威から協同の解決〜
開催日:令和6年11月27日


○田原市PRRS撲滅委員会の歩み
 田原市内 のPRRS(※1)清浄化に向けた養豚農家の気運の高まりを受けて、田原市家畜防疫対策協議会が連絡調整することで、養豚農家、獣医師等関係機関(あかばね動物クリニック、JA愛知みなみ、愛知経済連)、県東部家畜保健衛生所、地元畜産関係行政機関(田原市、県東三河農林水産事務所)により、平成23年12月に田原市家畜防疫対策協議会の下部組織として田原市PRRS撲滅委員会が立ち上がりました。
 平成29年度からは、公益社団法人中央畜産会が事業提案し、補助元である日本中央競馬会が採択した「地域養豚生産衛生向上対策支援事業(※2現事業名」が開始され、田原市PRRS撲滅委員会も公益社団法人愛知県畜産協会を介して参加しました。これを契機に個別農場での検査結果の蓄積が加速的に進み、県東部家畜保健衛生所の解析により地域としての PRRS の侵入防止、発生低減やまん延防止策を生産者の成功事例を参考にして具体的な提案ができる段階までなってきました。

田原市PRRS撲滅委員会 役員
〇田原市PRRS撲滅委員会主催研修会
 令和6年11月27日に田原市文化会館で、養豚農家、開業獣医師、畜産関係者等 74名の参加を得て、田原市PRRS撲滅委員会主催の研修会「PRRS 今までの成果・・・検査結果が語るもの! 〜共存の脅威から共同の解決へ〜」を、公益社団法人愛知県畜産協会、JA愛知みなみ養豚部会、渥美養豚研究会が共催して開催しました。

県家畜保健衛生所職員の講演
 「地域養豚生産衛生向上対策支援事業」でこれまでの成果として蓄積されている田原市内の個別農家の発育ステージにおける野外株検出及び抗体陽性時期、ワクチン株、ウイルス株の種別、ワクチン接種の有無等の年度別衛生状況の推移情報を資料にまとめ開示しました。
 研修会前半の講演では、グループシステム導入による消毒の徹底や、ワクチン接種による野外株一掃の事例等について、そこに至るまでの各生産者の具体的な改善取り組みを家畜保健衛生所職員が紹介し、参加者で共有しました。
 後半は、PRRS撲滅委員会の役員生産者が司会を務める総合ディスカッションを行い、家畜保健衛生所が作成した資料を基に「母豚へのワクチン接種と接種方法」「グループシステム」「野外株の農場間共有」「馴致の考え方」等をテーマとして、生産者を中心に関係者で議論を深めました。
 今回の研修会は、養豚密集地である田原市において「地域全体が一農場」であることを認識し、地域全体でPRRSの発生低減、まん延防止を一層前進させるため、個々の生産者が何をなすべきかを考える第一歩となりました。

総合ディスカッション

※1
PRRS:豚繁殖・呼吸障害症候群
※2
@補助元は、日本中央競馬会
 社会貢献の一環として、国の畜産振興諸施策を補完、総合的な観点から畜産振興が図られるよう、民間の事業主体における畜産の振興に資するための事業に対して支援。
A「地域養豚生産衛生向上対策支援事業」
 公益社団法人中央畜産会が事業提案(公募)して、日本中央競馬会により採択された事業 。
B公益社団法人愛知県畜産協会
 公益社団法人中央畜産会から計画承認を受けた当該事業の事業実施主体として、地域一体となって疾病清浄化に取り組む田原市PRRS撲滅委員会の活動を支援。