優秀畜産表彰


 畜産の経営や技術の向上を図るため、家畜品評会の優秀家畜や、養鶏振興に寄与した者を表彰しています。

【  橋 養 鶏 賞 】
 養鶏業振興の一助とするため、養鶏業界の向上発展に顕著な業績をあげた者を選び表彰するとともに、その成果を紹介しています。
生涯を養鶏にかけた先覚者、高橋廣治氏が設立した財団法人橋養鶏賞財団が褒賞していましたが、畜産団体の統合に伴い、現在は愛知県畜産協会が実施しています。

 高橋養鶏賞歴代受賞者 



第48回高橋養鶏賞表彰式

 令和5年6月29日公益社団法人愛知県畜産協会の総会終了後、第48回橋養鶏賞表彰式が行われ、当協会川上理事長から受賞者へ賞状、賞金、銀杯が授与されました。



 今回は、経営部門で内藤克彦様、普及部門で牧野信一様が受賞されました。

 経営部門受賞者の内藤克彦氏は、昭和56年に家業である養鶏に従事され、平成3年には代表に就任し、以後、32年間経営者として養鶏業を営んでみえます。採卵鶏成鶏23,000羽規模で、消費者への直接販売に重きを置いた地域密着の家族経営を実践されています。
第48回内藤克彦様スピーチ

 消費者の視点に立った鶏卵生産をこころがけ、植物性原料主体の飼料で生産する鶏卵は、臭みやくせがなく、地元半田市の学校給食や洋菓子店でも使用されています。また、知多地域の養鶏生産者仲間と、「自然との共生」をテーマとして知多地域の飼料用米を鶏に給与し、飼料用米作付け水田に鶏糞堆肥を還元する資源循環型農業を実践し、生産される名古屋コーチン卵は半田市出身の童話作家新美南吉の作品「ごんぎつね」にちなみ「ごんのたまご」として地域ブランド化され、半田市のふるさと納税の返礼品に選定されるなど着実に成果をあげられています。
 平成21年に半田市農業経営士会の会長に就任されると、半田市内の小学校3年生を対象に、半田市農業についての授業とプリン作りの調理実習の取組みを開始され、その活動は、今日、市内の全小学校13校で実施され、食育活動を通じた社会貢献の一躍を担っています。
 また、知多養鶏農業協同組合の理事を務め、「たまニコ」や「名古屋コーチンまつり」などイベントにも積極的に参加し、生産者の立場で卵の消費拡大に貢献されるとともに、会長を務める養鶏生産者の勉強会組織である知多養鶏二十日会では、生産者の経営改善や後継者育成に尽力されています。

 普及部門受賞者の牧野信一氏は、株式会社丸文牧野に昭和59年入社後、平成5年に取締役、平成18年に代表取締役に就任され現在に至っています。入社直後から、成鶏処理事業の高度化に取り組み、1日4千羽の処理羽数を、大型機械の導入により従業員を増やすことなく、1万2千羽まで拡大、東は千葉県、西は兵庫県まで、広く県外からも成鶏を集荷し、年間130万羽を処理され養鶏農家の鶏群更新の円滑化に大きく貢献されています。
第48回牧野伸一様スピーチ

 氏の入社当時は、成鶏肉は殆ど加工食品原料としての出荷でしたが、北陸や四国、九州の一部地域で、成鶏肉を親鶏肉とネーミングし新規需要開拓をされ、現在、親鶏肉の販売割合が3割を超え、成鶏肉の高付加価値化に貢献されています。
 採卵鶏としての役割を終えた名古屋コーチン成鶏(親鶏)の肉は、コーチン若鶏同様に品質面は評価されていましたが、羽数が限られ集荷羽数や時期が一定せず注文に即応できない場合があり、供給が不安定で商品価値を高めるまでは至っていませんでした。そこで、生産者の協力を得ながらコーチン採卵鶏の集荷羽数の4割を自社に集約し、安定的に親鶏肉を供給する体制を整備されたことで、需要拡大と付加価値が向上し、生産者が廃用するコーチン採卵鶏も高値で買取りされるようになり、生産者の経営改善にも貢献されています。
 さらに、平成21年の一般社団法人名古屋コーチン協会の設立時からの役員として、協会の運営・発展に尽力され名古屋コーチンの信頼確保と普及促進に貢献されています。
第48回受賞者撮影


《近年での表彰式》
 第48回高橋養鶏賞表彰式(令和5年度)
 第47回高橋養鶏賞表彰式(令和4年度)
 第46回高橋養鶏賞表彰式(令和3年度)
 第45回高橋養鶏賞表彰式(令和2年度)
 第44回高橋養鶏賞表彰式(令和元年度)
 第43回高橋養鶏賞表彰式(平成30年度)
 第42回高橋養鶏賞表彰式(平成29年度)
 第41回高橋養鶏賞表彰式(平成28年度)
 第40回高橋養鶏賞表彰式(平成27年度)
 第39回高橋養鶏賞表彰式(平成26年度)