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【 橋 養 鶏 賞 】 |
養鶏業振興の一助とするため、養鶏業界の向上発展に顕著な業績をあげた者を選び表彰するとともに、その成果を紹介しています。 生涯を養鶏にかけた先覚者、高橋廣治氏が設立した財団法人橋養鶏賞財団が褒賞していましたが、畜産団体の統合に伴い、現在は愛知県畜産協会が実施しています。 ![]() ![]() |
第50回高橋養鶏賞表彰式 | |
令和7年6月27日公益社団法人愛知県畜産協会の総会終了後、第50回橋養鶏賞表彰式が行われ、当協会川上理事長から受賞者のお二人に賞状、賞金、銀杯が授与されました。 | |
◎受賞者【普及部門】多田 実 様 | |
氏は、丸トポートリー食品株式会社の幹部社員として、愛知県、千葉県、三重県の直営及び提携農場において国産鶏の生産拠点を整備し、名古屋コーチンの年間生産量では10万羽を20万羽に倍増させるとともに、肉用三河種交雑鶏や三河赤鶏の国産差別化鶏肉の生産拡大を図りました。
さらに、消費者に対する信頼性や安全性を確保するため、すべての商品に生産農場番号を印刷し、トレサビリティーシステムの導入、「農場HACCP」「ISO22000」の認証による衛生管理システムを構築して、鶏肉の安心・安全性の向上に大きく貢献されました。 また、平成19年に、一般に流通する名古屋コーチンの約20%が偽物であるとの報道に端を発して偽装報道が過熱する中、コーチンに対する信頼喪失と生産者に対する厳しい追及が始まりました。 | |
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氏は、他の流通業者や愛知県、名古屋市と情報交換をしながら事実関係の究明と事態の鎮静化に奔走し、正規の判別技術での分析による事実証拠を積み重ね、この報道が簡易な正規でない判定方法で導かれたものであることを証明し、マスコミに“偽装報道は事実無根” であると強くアピールを行い、名古屋コーチンに対する信頼回復に大きく貢献しました。 |
このコーチン偽装騒動を契機として、生産から流通、調理までの関係者が一体となれる全国組織が必要との気運が高まりをみせ、氏は、関係者と連携して新たな組織の準備委員会を立上げ、設立に必要な準備活動を主体的に行いました。その結果、平成21年の「一般社団法人名古屋コーチン協会」の設立に大きく貢献しました。 協会設立後は、平成25年〜27年に代表理事を務め、名古屋市農業センターでの「名古屋コーチンまつり」の定例開催や食肉産業展への出展、イベントでの広報活動の強化を進め、名古屋コーチンの信頼回復と普及拡大に尽力しました。 名古屋コーチン協会の設立と発展は、氏の努力の賜物であり、その功績は大きなものがあります。 | |
◎受賞者【青年女性部門】永井 隆寛 様 | |
氏は、大学卒業後、国際農業者交流協会の研修制度を活用して、2年間アメリカで研修をしました。1年余りは、現地の旧来型の養鶏場で、手作業での給餌や清掃をしながら、飼養管理における鶏観察の重要性を学び、残りの期間は現地の大学でアニマルサイエンスや、マーケティングについて学び、これら研修により後の養鶏経営者としての礎を築き、帰国後の平成17年に祖父が畑作の傍らに始めた養鶏業の三代目として田原市で就農しました。 | |
就農して12年目の平成29年、37才の時に経営を株式会社ナガイタマゴとして法人化すると同時に代表取締役に就任し、畜産クラスター事業での規模拡大と衛生管理の徹底を図るべく、施設の近代化に取り組みました。
従業員は技能実習生6名で、会社のモットーをデザインしたユニホーム「No EGG、No LIFE 〜 for your Eggcellent Smile!〜」を着用し、コミュニケーションを大切に先輩実習生から後輩に技術を継承できる体制を整備しています。 |
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また、販売面では、渥美半島の海苔を飼料として給与した鶏卵を地域ブランドとして立ち上げ、消費者の反応を確認できるECサイト開設を準備中で、地域とのつながりを大切に、独自性を発揮しようとしています。
氏は、一般社団法人愛知県養鶏協会が主催する「たまニコ愛知大会」の実行委員や豊橋市養鶏農業協同組合の理事として、消費者を対象としたイベントで、鶏卵や鶏の基礎知識を普及啓発する活動や情報発信を行うことにより、養鶏への理解醸成に努めるとともに、全国養鶏経営者会議の青年部会長を務め、養鶏業界の活性化にも意欲的に取り組み、勉強会や視察を企画して業界の若手生産者のレベルアップを図っています。 さらに、西日本を中心とした生産者組織「レイヤーズ」や、地元東三河の養鶏・養鶉農家で組織する「STC(Success Tamago Club)」に参加し、定期的に勉強会や情報交換を行っており、今後とも中堅生産者として、業界の活性化に主体的に行動することが期待されます。 | |
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《近年の表彰式》 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |